接客における最適解を求めて

~マニュアル主義に陥らないために~

当店のようなフルサービスを採用している喫茶店において、できる限り多くのお客様にご満足いただけるような接客を行うには、決してマニュアル主義であってはならないと常々考えています。

とは言いましても、当店にはちゃんとした業務マニュアルがあります。

それも体系的かつ網羅的で非常に詳細な内容のものです。

マニュアルは存在するが、マニュアル主義を否定するとはこれ如何に?

ですが、それも当店がマニュアル以上に大切にしていることがあるからです。

それは「会社が定めた理念の趣旨を正しく解釈し、主体的に行動すること」という考え方です。

ちなみに当社の理念の中には「調和」と「中庸」という概念があります。

その趣旨は「過不足なく整った、良心と良識に基づいた行いのためのフィロソフィー」と考えています。

すなわち、それら理念の趣旨を正しく解釈した行動であれば、たとえマニュアルで定められていないことであったり、記載されていることに反するようなことであっても、間違いと見なされることはありません。

確かに、マニュアルがきちんと整っていれば、大体の仕事はそれなりにこなせるはずです。

品質レベルを標準以上に保つためにも必要と考えます。

しかし、喫茶店やカフェに来店されるお客様は実に様々、老若男女を問わず多種多様です。

接客上、求められるものも多種多様、マニュアル通りにいかないことは日常茶飯事と言えます。

だからこそ、その場に応じた臨機応変な対応ができる人材をいかに育てるかが重要ですし、そのためにマニュアルを超えた上位概念としての理念があるわけです。

そこで正しく理念を解釈できるかどうかがポイントですが、これが大変難しい。

常日頃意識しながら、考えながら、腑に落ちるまで努力を重ねていくことでしょう。

もっとも、まずは可能かどうかよりも、それを難しいと思うかどうかですね。答えの簡単に見つからない問題を解くことに楽しみを感じるくらいの好奇心があればと思います。困難なことにも前向きに、建設的態度で臨むくらいのバイタリティがある人を育てたいと常々考えています。

接客における最適解は本当に難しいです。

しかし、難問であるからこそ挑戦のしがいがあるというものです。

そのような難問を今、共に解いてくれようとしている仲間たちには日頃感謝しています。

店主