珈琲豆の保存方法について

 これもよく質問されることなのですが、焙煎された珈琲豆の保存方法については諸説あるところ、当店は以下のようなおすすめの保存方法をお伝えしております。

【常温の場合】当店が使用している「鮮度を保つための専用袋」に入れた状態でしたら、冷暗所でひと月(梅雨から夏場は2〜3週間)は香味を保ちます。その後は徐々に香りが減り、酸味や雑味が増します。ただし、その香味の変化を楽しむのも一興です。

 【冷蔵の場合】密閉できる容器に入れて下さい。できれば「鮮度を保つための専用袋」のまま容器に入れることが望ましいでしょう。冷蔵庫から容器を出して、必要量を取り分けたら残りの珈琲は速やかに冷蔵庫に戻しましょう。劣化を防ぐためです。

 *冷凍保存はおすすめしません。冷凍庫から出した直後に霜がついてしまうなど、劣化しやすく取り扱いが難しいからです。

 珈琲は焙煎直後から炭酸ガスと香味成分が抜けて行きます。これは劣化していくと考えるのが通常ですが、一方では香味成分が変化し、バランスがよくなり、その珈琲豆本来の味に落ち着くという考え方もあります。

 実際、焙煎直後は炭酸ガスが多く含まれることもあって、抽出の際、粉がよく膨らむのですが、その香味は意外とすっきりとしていて、どちらかと言えばあっさりしすぎたコクの少ない珈琲であることがほとんどです。私はこの状態の珈琲を「やんちゃな味」と評しております。すなわち、その珈琲豆本来の味とは遠く、若い、落ち着きのない、物足りない香味という意味です。

 焙煎から大体4日程度経過しますと、程よくガスも抜けて、香りも落ち着き、その珈琲本来の味やコクが現れて参ります。

 その後は徐々に劣化していくことになるのですが、香味の変化を楽しむのでしたらそのまま常温で保存するのも良しですし、冷蔵保存にして、鮮度をできる限り保ちながら楽しむのも良いでしょう。

 珈琲豆は基本的に腐るものではありませんので、消費期限というものはなく、あくまで賞味期限としておおよその基準は示させていただいておりますが、上記のような方法を試しながら、自分自身が美味しいと感じられる保存期限を検証するのも良いかと思います。

 珈琲は焙煎方法、抽出方法、ブレンドの配合、そして保存方法など、嗜好品として大変豊かに楽しめる要素の多いものでありますね。

 店主

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