京都高島屋S.C.へ出店しました その一

お久しぶりです。

いつも年明けの恒例記事は「謹賀新年」ですが、今年は元日に能登半島地震があったため、しばらく投稿を控えておりましたところ、それもあっという間、もう三月が過ぎ去ろうとしています。

さてさて、昨年秋に開業した新店の「京都高島屋S.C. 葦島珈琲」について少し書かせて頂きます。

当店が百貨店に出店するとは意外に思われた方も多いと聞きます。

確かに、雑居ビルの5階で看板も目立たせずにひっそりと営業している本店「喫茶葦島」のイメージが強いため、四条河原町の巨大な百貨店に出店するなんて想像しがたいものがあるかと思います。

そもそもなぜ出店したかですが、それはもちろん高島屋様側からのオファーがあったからです。

我々のような店がどうしたら百貨店に、それも催事などではなく、常設店舗として出店できるかその方法も知りませんでしたし、まさかお声かけされるなどとは想像もしておりませんでした。

出店するにはどのような基準があって、どれくらいの費用がかかるのだろう?

どれだけスタッフを増やさなければならないのだろう?

果たして今の設備で生産はこなせるのだろうか?

などなど、不安で頭は一杯になりました。

しかし、先方営業担当の方々が本当に真摯な態度で説得してくださりましたし、出店に関する事項説明も明朗かつ誠実でしたので、お会いするたびに私の不安や疑念は徐々に解消されていきました。

とはいえ、「じゃあ、出ます」と簡単には言えません。

”商売は始めるは易しだが、続けることは万倍難しい”

自戒のようにこの十数年唱えてきたフレーズがまたまた頭をよぎります。

そして、一号店である喫茶葦島が育んできた理念とイメージが崩れることがあってはならない、とも考えました。

と言うのも、当店は開業以来いっさい広告というものを自らしないで独自の方法で集客を図ってきましたので、注目度抜群の百貨店はいささか勝手が違います。また、隠れ家のような店を求めて来られる客層に受けるのかどうかも不安でした。

そして、時間を紡ぐようにごゆるりとお寛ぎいただくための当店ならではのサービスが、常に繁忙が予想される百貨店で果たして通用するのだろうかと真剣に考えました。

それらの不安をいかにクリアするか、オファーを受けてから返答するまでの期間、悩みに悩みました。

最終的にオファーをお受けすると決断したわけですが、決断に至った大きな理由があります。

それは、新たに建設される新館であったことです。

また実際に出店する4Fエリア、このエリアはアート&カルチャーを基軸にした今までにない挑戦的なフロアであると言うことでした。

そのようなフロアに唯一のカフェとして当店を選んでいただいたこと、このことが私の背中を押してくれました。

そして、このようなオファーに応えられるように、コンテンツを十数年かけて蓄えてきたという自負も少なからずありましたので、これは好機に他ならない、ここで前に進まないのは”漢が廃る”と言うような気持ちもありました。

そのような理由で出店の意思を固めたわけですが、いざ進めていくとなると想定を遥かに超える困難が待ち受けていたのです。

つづく