管理職の仕事の半分以上は、部下への教育であると考えます。
私自身も昔お世話になった企業で、新入社員の頃からそう習いましたし、自身が管理職として働くようになった時も、大切な仕事であると実感してまいりました。
というのも、私が最初にお世話になった企業は、100年を超える長い歴史を持った老舗企業でしたが、永らく事業を続けてこられた要因は、下の者を大切に育てるという風土がきちんと行き渡っていたからだと思います。
その会社では、管理職でない社員であっても、目下の者には仕事を教えるのが義務であるという考えを、あらゆる仕事を通して教わりました。 これが、言葉は悪いですが、社員を使い捨てのように扱う会社でしたら、目先の利益や自分自身の都合を優先し、出世などを目的とする者ばかりになるでしょう。
永続する企業というのは、単に利益を上げ続けていくこと以上に、後進を育てることのできる上位の者、すなわち良質な管理職をいかに確保できるかを重視していると思います。
良き管理職になるための重要なポイントとして私が考えているのが、「やってみせる」「任せてやらせる」「正しく評価し、次に繋げさせる」というものです。 まず部下にとって初めての仕事を任す際には言葉だけでなく、上司自身が率先して行動で手本を示すことです。あえて背中を見せる、まさに「やってみせる」という段階ですね。
ただ、ここはある程度誰でも出来ます。
問題は、次の「任せてやらせる」段階です。 上司としてここで大事なマインドは、「我慢する」というものです。 ありがちな失敗として、部下が中々成果を上げられない状態の途中で、我慢しきれずに自分がやってしまうという行動です。
この点、確かに期限が決まっていたり、遅れることで顧客に迷惑がかかる場合は致し方ない場合もありますので、一概には言えませんが、そうせざるを得ない場合でも、任せた部下をフォローしながら、次回はきちんと仕上げられるよう粘り強く指導しなければなりません。
そして終了後は、この度の仕事ぶりと成果に対する「正しい評価」を伝え、次の仕事に「繋げられる」ように、反省点があればそれを踏み台にした上で、あくまでも建設的な助言をしましょう。
決してやってはいけないことは、評価した結果、出来が悪かったからと言って、もう任せないと切り捨てたり、恣意的に仕事を取り上げるような扱いをすることです。とりわけ一度や二度の失敗でそのような判断をするようでは管理職失格です。
何度でもやり直しがきくことを前提に、おおらかな気持ちで、我慢強く見守ること、すなわち親心に通じる心持ちが管理職には必要だと思います。
ちなみに、親という字は、木の上に立ち、見(守)るというつくりになっていると言われますが、親心とはまさに人の上に立つ者に必要な素養と考えます。
以上において、当社はまだまだ未熟な状況ではありますが、良き管理職になりうる人材が今まさに育ちつつありますので、徐々にですが展望は明るいものと実感しております。