珈琲が肝腎なる理由

 開業前、もう20年近く昔の話。

 その当時私はかなり肝臓の検査数値が良くなくて、脂肪肝を過ぎて、もはや肝炎に近い状態でした。

 それが、もともと好きだった珈琲を毎日飲むようになってから、徐々に回復してきたと思います。

 ただし最初から珈琲の効能を知っていたわけではなく、毎日飲み出したのは、一番自分にとってストレス解消に良い飲み物だったからですが、珈琲が肝臓に良いことを知ったのは開業後のことでした。

 確実に実感しているのは、開業後15年以上経った今、検査数値は全く問題なく、病気にも無縁だという事実からです。

 仕事上、毎日5杯以上は飲んでいますが、健康維持のための要因が他に見当たらないことから、因果関係のある可能性は高いと思っています。あくまで個人の感想レベルですが。

 ところで先日、ブラック珈琲が肝機能向上に良い、もしくは無害であることは医学的にも根拠が示されているとの話を、肝臓外科の医師が述べられているのを聞いて、自身の経験に照らしてもそうなんだろうと思いを強くしたところです。

 あのまま放っておいたら、肝硬変→肝臓癌に進行していてもおかしくなかったと思うと、ちょっと大袈裟ではありますが、珈琲に救われた人生だなと感じています。 そんな感謝の気持ちを込めながら、毎度珈琲豆を焙煎しています。

店主

喫茶葦島 15周年に寄せて

 本店の喫茶葦島は、5月15日に無事15周年を迎えました。

 これもひとえに、ご来店くださるお客様、関係者の皆様、共に働いてくださるスタッフの皆さんのおかげです。

 いつも本当にありがとうございます。

 15年前のオープン当日、プレスリリースはもちろん、事前告知はごく限られた関係者のみにしか行なっていなかったこともあり、お客様は数えるほどでした。本当に静かで穏やかなスタートを切ったことを覚えています。

 幸いにも本店開業後、8年目に烏丸店、13年目に高島屋店と徐々にですが店舗を広げることができました。

 とはいえ、当初から今のような状況を目指していたわけではありません。

 目の前の課題をクリアすること、お客様や関係者の方々からのご要望にお応えすることで精一杯でしたので、気がついたらいつの間にか15年経っていた感じです。

 実は開業以来3年間は赤字続きで、大変苦しい期間がありました

 でも「昨日よりも今日を一歩ずつで良いので、常に前向きに改善していこう」という気持ちで日々、皆で力を合わせて営業を続けてきたからこそ、今があると思います。

 開業メンバーは、私と学生11名、スタッフ全員が飲食業未経験者ばかりの素人集団でした。

 そもそも私自身が飲食業出身ではなく、主に事務系の仕事をしてきた者でしたから、飲食のプロとまでは言えませんでした。

 ただし、職務経歴として、一応企業経営の基礎知識を経験できる組織にいたため、そこで学んだ経験知識を応用することでスタートできました。それが結果的には良かったのかもしれません。

 珈琲については高校生の頃から趣味として嗜んでいたこともあり、それなりにやっていけるという自負はありました。

 そんな素人集団でも、会社の理念がきちんとあり、品質にこだわった商品とサービスを提供し、誠実に丁寧に仕事をすれば、いずれ多くの人に認められるようになるだろうと、そういう気持ちで毎日を重ねてきました。

 今後の展望としては、本来弊社の強みである、「一人一人のお客様に対して丁寧に誠実なサービス」というモットーを愚直に守っていきたいと考えております。

 丁寧さや誠実さは一見非効率に見えても、結果的として効率的となる場合が実は多いと思います。

 そして、一緒に働く仲間を大切にして、上下和親し相互協力しながら、日々営業を続けていきたいと存じます。

 以上のことは、当社の経営理念である「中庸「調和」に基づいております。

 最後になりますが、私は葦島がお客様にとって、いつ訪れても安心して時間をお過ごしいただけるような店であり続けるよう努力いたしますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 また一緒に働いてくださるスタッフの皆さんには、葦島の一員であったことが良き思い出に残るような、そんな企業でありたいと考えていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

店主拝

細く長くが良いこともある

 こだわって美味しいお米を作り、昔ながらの稲作法を守っている農家を応援したいと、数年来定期便でお米を送ってもらっている農家さんから、いつも会報のようなお手紙をいただくのですが、今回以下のような一文があり、強く感動というか、共感したのでご紹介します。

(以下、お手紙より一部抜粋)

”稲という植物は種を放っておくと何もしないでも育ち、穂をつける逞しい植物です。しかし収量、美味しさを追求していくと限りがありません。  

 またその収入で家族を養い、顧客の皆様に対してはクレームのないように、また欠品のないようにしなければなりません。  

 令和の米騒動の中で、米を探して弊社にも沢山のお問い合わせがあります。  

 しかし今でも弊社が米の生産を継続できているのは、今まで米の値段が安かった時にも買い支えていただいた皆様があったからこそです。定期便のお客様の分は優先的に確保しておりますし、価格もお約束した価格でお送りします。”

 この一文を読んで、恥ずかしながらなんですが、弊社も同じような気持ちと姿勢で、卸先や長年に渡りご購入いただいているご贔屓様へ、焙煎豆をお送りしていることを知っていただきたく思いました。

 それも老舗の先達から学んだ心意気の一つです。

 その心意気とはなんぞやですが、「商売は細く長くのお付き合いが大切」と言うものです。

 当店には、長年に渡り定期でご購入いただいているお客様が決して多くはないのですが、一定数いらっしゃいます。

 その内訳としては、卸先の法人様や店舗様、個人のお客様などですが、いずれにしても定期購入の場合、基本的に値上げをお願いすることはありません。

 実際にこの15年を振り返っても、お値段を設定した上で定期的にご購入されているお客様については、値上げをお願いしたことはありませんでした。

 それも、長くお付き合いをさせていただいていることへの感謝の気持ちからなのですが、このようなやり方については、珍しいと言われることもあります。

 人によっては、長く継続して購入してくれているのだから、相手も多少の値上げをしても離れていかないだろうという考え方もあるでしょう。

 でも、弊社はそれとは全く逆で、できる限り長くご購入していただいているのだから、そのこと自体に価値があると考えています。これは、弊社が永続企業としてこの先何百年も、何千年も存在し続けていきたいという理念に基づいているからこそです。

焙煎について

 当店の焙煎豆についてですが、季節限定のものを含めると、ブレンドからシングルオリジンまで20種類近くございます。

 もちろん、それらの焼き方は一様ではありません。 大きく分けると、8通りの焼き方(プロファイル)がございます。

 実は開業時に定めたプロファイルについては、もっと細かく分けていて、さらに倍ちかくあったのですが、現在はその8パターンに基づいて焼いております。

 8通りの違いについては、焙煎度によるものと、生豆の特性や量に応じたもの、それぞれを考慮して、ガス圧、設定温度、ダンパーの調整を行なっております。

 全自動の焙煎機ではないので、それらのパターンをきちんとメソッドとして守りつつ、焙煎士の五感を駆使して焼いておりますが、さながらマニュアル車を運転するかのような楽しさがあります。

 そのマニュアル車的な焙煎機を2台同時に稼働させながらの作業は、まあまあ大変ではありますが、好きが高じて始めた仕事だけに、毎日焼いても飽きることは決してありません。

 当店の焙煎機の利点の一つが、比較的単純な機構をしているものですから、故障しても大体のことは自分で直せる点です。

 解体清掃やオーバーホールも自分でやっています。 それだけに愛着も湧きますし、中身の構造がつかめているので、焙煎メソッドの細かい修正も臨機応変にできます。

 底の見えない沼にハマってしまうような事態もたまにありますが、今のところは大概自力で調べて解決できているので、今後もこの焙煎機を大事に使い続けていきたいと考えています。

 焙煎にも、抽出にも、理論と検証を重視し、手間暇を惜しむことなく日々実践する。 そんな珈琲を追究しているのが弊社のコアコンピタンスであることは間違いありません。

人を育てることの難しさよ

 管理職の仕事の半分以上は、部下への教育であると考えます。

 私自身も昔お世話になった企業で、新入社員の頃からそう習いましたし、自身が管理職として働くようになった時も、大切な仕事であると実感してまいりました。

 というのも、私が最初にお世話になった企業は、100年を超える長い歴史を持った老舗企業でしたが、永らく事業を続けてこられた要因は、下の者を大切に育てるという風土がきちんと行き渡っていたからだと思います。

 その会社では、管理職でない社員であっても、目下の者には仕事を教えるのが義務であるという考えを、あらゆる仕事を通して教わりました。 これが、言葉は悪いですが、社員を使い捨てのように扱う会社でしたら、目先の利益や自分自身の都合を優先し、出世などを目的とする者ばかりになるでしょう。

 永続する企業というのは、単に利益を上げ続けていくこと以上に、後進を育てることのできる上位の者、すなわち良質な管理職をいかに確保できるかを重視していると思います。

 良き管理職になるための重要なポイントとして私が考えているのが、「やってみせる」「任せてやらせる」「正しく評価し、次に繋げさせる」というものです。 まず部下にとって初めての仕事を任す際には言葉だけでなく、上司自身が率先して行動で手本を示すことです。あえて背中を見せる、まさに「やってみせる」という段階ですね。

  ただ、ここはある程度誰でも出来ます。

 問題は、次の「任せてやらせる」段階です。 上司としてここで大事なマインドは、「我慢する」というものです。 ありがちな失敗として、部下が中々成果を上げられない状態の途中で、我慢しきれずに自分がやってしまうという行動です。

 この点、確かに期限が決まっていたり、遅れることで顧客に迷惑がかかる場合は致し方ない場合もありますので、一概には言えませんが、そうせざるを得ない場合でも、任せた部下をフォローしながら、次回はきちんと仕上げられるよう粘り強く指導しなければなりません。

 そして終了後は、この度の仕事ぶりと成果に対する「正しい評価」を伝え、次の仕事に「繋げられる」ように、反省点があればそれを踏み台にした上で、あくまでも建設的な助言をしましょう。

  決してやってはいけないことは、評価した結果、出来が悪かったからと言って、もう任せないと切り捨てたり、恣意的に仕事を取り上げるような扱いをすることです。とりわけ一度や二度の失敗でそのような判断をするようでは管理職失格です。

 何度でもやり直しがきくことを前提に、おおらかな気持ちで、我慢強く見守ること、すなわち親心に通じる心持ちが管理職には必要だと思います。

 ちなみに、親という字は、木の上に立ち、見(守)るというつくりになっていると言われますが、親心とはまさに人の上に立つ者に必要な素養と考えます。

 以上において、当社はまだまだ未熟な状況ではありますが、良き管理職になりうる人材が今まさに育ちつつありますので、徐々にですが展望は明るいものと実感しております。

珈琲は芸術か

芸術とは何かという問いについて、人が生き抜くために必要不可欠なものという説がありますが、私も支持しています。

コロナ禍で閉塞的な生活を強いられた時期は、美術館や映画館、コンサート会場などが閉鎖され、芸術に直接接する機会を失った結果、多くの人がその必要性を実感したと思われます。

芸術の特性として明らかだと思うのは、芸能のように他人にウケることが目的としてではなく、創作する人が作りたいものを作る、すなわちその人が人として生きるために、その存在を表現するために行う営みこそが芸術なのでは思います。

そして、創作された作品に接した人が、感動や感銘を受け、喜び・悲しみ・怒りなど人間が本来普遍的に持つ感情を呼び起こされることこそ、その芸術が持つ価値を高め、場合によっては創作者本人以外の人にとって生きがいになることもあります。つまり双方向性のある作用と言えます。

そのような理由で、芸術は人が人として生き抜くために必要不可欠なものであると考えます。

さて、珈琲が芸術であるかについてですが、私は葦島の珈琲は芸術であって欲しいと思っています。

なぜなら、珈琲は私にとって人生を生き抜くための存在に他ならないからです。

それは単に生活する糧の手段として珈琲を扱うことだけでなく、珈琲を作ることそのものが私にとって最良の表現方法であるからです。

そもそも私が葦島を作ろうと考えたのは、自分の今までの人生で大変辛かった時期を支えてくれたものが、家族以外では珈琲であったからです。さらに正確に言えば、珈琲を飲みながら過ごすひとときが生活に潤いと豊さと安心をもたらしてくれたからです。

このかけがえのない珈琲というものを、いわば概念として一旦抽象化し、今までの経験智を濾紙として具現化したのが「喫茶葦島」であり「葦島珈琲」です。

大切なのは、芸術家が納得のいくまで作品を仕上げるのと同じく、お客様に喜んでいただける珈琲を実現できるまで、納得のいくまで細部にこだわることだと思います。まさに細部にこそ神宿るです。

この点、他者であるお客様の喜びを目標にしていることで、それは芸術ではないと言われるかもしれませんが、私にとっての珈琲とは、単に飲み物としてではなく、人間らしく豊かに人生を生きていくための時間を与えてくれる存在です。そのような存在を自らの全てを注いで作りだす行為は芸術でありたいと常に考えています。

そのような個人的創作物が果たして広く世に受け入れられるのだろうか、という慎重さは芸術家にとっても重要な姿勢とは思いますので、純粋な主観的創造物と言うよりは、客観的かつ主観的創造物であるべきだろうと考えます。

以上の理由により、私にとっての珈琲は芸術であると言って良いでしょう。

京都高島屋S.C.へ出店しました その一

お久しぶりです。

いつも年明けの恒例記事は「謹賀新年」ですが、今年は元日に能登半島地震があったため、しばらく投稿を控えておりましたところ、それもあっという間、もう三月が過ぎ去ろうとしています。

さてさて、昨年秋に開業した新店の「京都高島屋S.C. 葦島珈琲」について少し書かせて頂きます。

当店が百貨店に出店するとは意外に思われた方も多いと聞きます。

確かに、雑居ビルの5階で看板も目立たせずにひっそりと営業している本店「喫茶葦島」のイメージが強いため、四条河原町の巨大な百貨店に出店するなんて想像しがたいものがあるかと思います。

そもそもなぜ出店したかですが、それはもちろん高島屋様側からのオファーがあったからです。

我々のような店がどうしたら百貨店に、それも催事などではなく、常設店舗として出店できるかその方法も知りませんでしたし、まさかお声かけされるなどとは想像もしておりませんでした。

出店するにはどのような基準があって、どれくらいの費用がかかるのだろう?

どれだけスタッフを増やさなければならないのだろう?

果たして今の設備で生産はこなせるのだろうか?

などなど、不安で頭は一杯になりました。

しかし、先方営業担当の方々が本当に真摯な態度で説得してくださりましたし、出店に関する事項説明も明朗かつ誠実でしたので、お会いするたびに私の不安や疑念は徐々に解消されていきました。

とはいえ、「じゃあ、出ます」と簡単には言えません。

”商売は始めるは易しだが、続けることは万倍難しい”

自戒のようにこの十数年唱えてきたフレーズがまたまた頭をよぎります。

そして、一号店である喫茶葦島が育んできた理念とイメージが崩れることがあってはならない、とも考えました。

と言うのも、当店は開業以来いっさい広告というものを自らしないで独自の方法で集客を図ってきましたので、注目度抜群の百貨店はいささか勝手が違います。また、隠れ家のような店を求めて来られる客層に受けるのかどうかも不安でした。

そして、時間を紡ぐようにごゆるりとお寛ぎいただくための当店ならではのサービスが、常に繁忙が予想される百貨店で果たして通用するのだろうかと真剣に考えました。

それらの不安をいかにクリアするか、オファーを受けてから返答するまでの期間、悩みに悩みました。

最終的にオファーをお受けすると決断したわけですが、決断に至った大きな理由があります。

それは、新たに建設される新館であったことです。

また実際に出店する4Fエリア、このエリアはアート&カルチャーを基軸にした今までにない挑戦的なフロアであると言うことでした。

そのようなフロアに唯一のカフェとして当店を選んでいただいたこと、このことが私の背中を押してくれました。

そして、このようなオファーに応えられるように、コンテンツを十数年かけて蓄えてきたという自負も少なからずありましたので、これは好機に他ならない、ここで前に進まないのは”漢が廃る”と言うような気持ちもありました。

そのような理由で出店の意思を固めたわけですが、いざ進めていくとなると想定を遥かに超える困難が待ち受けていたのです。

つづく

接客における最適解を求めて

~マニュアル主義に陥らないために~

当店のようなフルサービスを採用している喫茶店において、できる限り多くのお客様にご満足いただけるような接客を行うには、決してマニュアル主義であってはならないと常々考えています。

とは言いましても、当店にはちゃんとした業務マニュアルがあります。

それも体系的かつ網羅的で非常に詳細な内容のものです。

マニュアルは存在するが、マニュアル主義を否定するとはこれ如何に?

ですが、それも当店がマニュアル以上に大切にしていることがあるからです。

それは「会社が定めた理念の趣旨を正しく解釈し、主体的に行動すること」という考え方です。

ちなみに当社の理念の中には「調和」と「中庸」という概念があります。

その趣旨は「過不足なく整った、良心と良識に基づいた行いのためのフィロソフィー」と考えています。

すなわち、それら理念の趣旨を正しく解釈した行動であれば、たとえマニュアルで定められていないことであったり、記載されていることに反するようなことであっても、間違いと見なされることはありません。

確かに、マニュアルがきちんと整っていれば、大体の仕事はそれなりにこなせるはずです。

品質レベルを標準以上に保つためにも必要と考えます。

しかし、喫茶店やカフェに来店されるお客様は実に様々、老若男女を問わず多種多様です。

接客上、求められるものも多種多様、マニュアル通りにいかないことは日常茶飯事と言えます。

だからこそ、その場に応じた臨機応変な対応ができる人材をいかに育てるかが重要ですし、そのためにマニュアルを超えた上位概念としての理念があるわけです。

そこで正しく理念を解釈できるかどうかがポイントですが、これが大変難しい。

常日頃意識しながら、考えながら、腑に落ちるまで努力を重ねていくことでしょう。

もっとも、まずは可能かどうかよりも、それを難しいと思うかどうかですね。答えの簡単に見つからない問題を解くことに楽しみを感じるくらいの好奇心があればと思います。困難なことにも前向きに、建設的態度で臨むくらいのバイタリティがある人を育てたいと常々考えています。

接客における最適解は本当に難しいです。

しかし、難問であるからこそ挑戦のしがいがあるというものです。

そのような難問を今、共に解いてくれようとしている仲間たちには日頃感謝しています。

店主

喫茶葦島のバリアフリー等について

 当店には普段より様々なお客様にお越しいただいておりますが、全てのお客様にご満足いただけるよう、店としてできる限りのおもてなしを心がけております。

 とりわけお子様連れや、海外からのお客様、車椅子等のお客様などのために、下記のようなサービスを用意して、安心してお越しいただけるよう努めております。

 どうぞお気軽にスタッフへお申し付け下さい。

お子様・お子様用食器のご用意
・粉ミルク用お湯のご用意
・ベビーカーでのご入店
外国語メニュー・英語(English Menu)
・多言語(Multi-language Menu)

バリアフリー・車椅子スロープ
・コミュニケーションボード(日本語・英語)
・筆談
アレルギー・その他食品・アレルギー対応表のご用意
・必要な方への原材料名の開示 (未加熱ナチュラルチーズやハチミツ等の使用の有無など)
補助犬盲導犬・介助犬・聴導犬と一緒にご来店いただけます

車椅子スロープ

当店独自のコミュニケーションボードもございます

お子様用食器

10/17に新店をオープンいたします

今秋、京都高島屋S.C.新館「T8」(10月17日にグランドオープン)の4Fにカフェとして出店いたします。席数26席、本店「喫茶葦島」と同様のサービスを提供予定です。

まず高島屋新館「T8」についてのご紹介です。

<高島屋新館「T8」のコンセプト>  
 何となく足を運んでしまう場所“四条河原町”。仲間や家族、そして一人でも…。「人」「コト」「モノ」。出“あう”こと、出“あい”に行くことが楽しい場所“四条河原町”。
 「 T8 」は、街を行き交う全ての人に「楽しく」「気軽に」ご利用いただける施設をめざします。また、「アート&カルチャーを発信する館」として現代アートや日本が世界に誇るサブカルチャー、エンターテインメントのトップランナーが4~7Fに集結。
 百貨店と専門店ゾーン全体で、街のアンカーとして、「京都で一番の待ち合わせ場所」をめざします。

*高島屋プレスリリースより抜粋

そして、アート&カルチャーを発信するエリアである4Fについても下記のようにリリースされました。

<4Fのコンセプトと出店紹介>
 趣味のあう仲間(同好の士)と“あう”“あい”に行く
 日本のアニメ、マンガ業界を牽引するプロたちが買取、販売を行う「まんだらけ京都店」の他、三条河原町に本店を構え、京都の珈琲好きからも絶大な支持を得る自家焙煎珈琲の喫茶店「葦島珈琲」(商業施設初出店)や、渋谷のレコード文化を支えてきた老舗レコード店「フェイスレコード」(関西初出店)、厳選された作家のアートピースやコラボアイテム等アートとであう体験が出来る「ヌーヌKYOTO」(新業態)など、好きなモノに向き合う時間が楽しい6店舗が出店。

*高島屋プレスリリースより抜粋

詳細は下記のニュースリソースをご覧ください。
https://www.takashimaya.co.jp/base/corp/topics/230414f.pdf

アート、アナログレコード、サブカルチャー、そしてハンドドリップ珈琲などなど、いずれも日本の文化を牽引してきた「人・もの・コト」を愛でられる、ある意味カオスなフロアです。

そのフロアで、私たち「葦島珈琲」は、同好の士たちが心地よく出会える場所とサービスを、長年培ってきた手仕事珈琲でおもてなしいたします。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

暗黙知と形式知の調和によるハンドドリップ

 当店のハンドドリップによる珈琲抽出方法は独自のものです。

 その独特な方法を、開業以来延べ20名のバリスタ職を育てて技術を伝授し、今も継承しております。

 ご存知の通りハンドドリップという抽出方法は、極めて属人的な技術でありますから、当店の商品として提供できる香味レベルを、すべてのバリスタにおいて一定とさせることは至難のことではあります。

 しかし、プロである以上はできる限り安定して店の味を再現するようにしなければなりません。開業当時はバリスタ職は私一人でしたが、年を重ねていくにつれ店の規模を拡大させていく必要に迫られるようになると、この技術をいかに後進の者に伝えて安定した技能を定着させるかということが、必須の課題となってまいりました。

 そこで私は、その課題を解決するために、当店の独特なハンドドリップ法をいかにして理論化し言語化して伝えていくかを考え、具体的に指導方法を考案検証し体系化していきました。

 ハンドドリップによる珈琲抽出の良い点は、香味の調整を人の手によって繊細に行えることです。このことは反面、技術の習得においては困難な面が多いことをあらわします。

 すなわち、ケトルを操って細口から注がれる湯をいかに有効に珈琲に当てるかという技術的な点について、ある程度は理論的に説明できるものの、多くの部分において微妙な腕使いや手首のスナップによる個人差が必ず影響するため、肝心な点については言語などの形式知だけでは説明しきれないからです。

 その困難な点を克服するために考えたのが、「葦島暗黙知研修」です。この研修の特徴は、理論的な形式知を土台にしながら、言語化できないコツのような技能部分を伝える点にあります。

 研修期間に確たる定めはなく、原則修了するまで行いますが、その期間は人によって変わります。一ヶ月程度で修了する者から六ヶ月近くかかる者まで様々です。

 やはり暗黙知らしい属人的な分野である所以でもあるかなと思います。

 その暗黙知と形式知のバランスを意識して練度を上げていく過程が、当社の理念に据えている「調和」「中庸」の精神を醸成していると考えています。

謹賀新年

明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

喫茶葦島は今年13周年、自家焙煎所葦島は5周年を迎えます。

これまでの皆様からのご愛顧に深く感謝申し上げます。

そして10月には新店の葦島珈琲を市内に開業いたします。

こちらは本店の喫茶葦島と同様のコンセプト、規模もほぼ同じ喫茶店となります。

詳細は4月にリリースできるかと存じます。

一般的に「一年の計は元旦にあり」と言われております。

この日は何かしら新たな方針や計画を立てるべきかと思いますが、私どもは今まで大切にしてきた理念を守ることを念頭にあえて変わることなく、それに磨きをかけるように、技能やサービスを日々向上させていくことに尽力していきたいと考えております。

新しいサービスや商品の開発も、あくまで理念を守り続けるための一方策です。

今年も積極的に弊社独自の良さと強みを追求していきます。

引き続きましてよろしくお頼み申し上げます。

代表 

現場主義

 喫茶葦島は創業からの数年間、店主である私が”バリスタ”として毎日珈琲をハンドドリップしておりました。それが今やバリスタスタッフも9名と増え、以前のように一日中私が自ら珈琲を淹れることはなくなりましたが、それでも毎日数時間は立つようにしています。

 それだけスタッフがいれば、オーナー自ら現場に立たなくても、完全に任せてしまえばもっと楽できるじゃないかと言われることもございます。

 でも、どんなに会社が大きくなっても、私が現場から完全に退くことはありません。よほど周囲からの反対がない限り、体力が続く限りは、仮に将来代表を退いたとしても、現場に立つ時間を確保していきたいと考えています。

 その理由は大きく三つございます。

 一つ目は、自分が理想とする経営理念として「現場主義」を掲げているからです。これは私の研究テーマでもある「永続する企業の条件」において重要なポイントの一つでもあります。

 二つ目は、技術の伝承のためには、指導者自らが継続的に現場に立つことが必須だと考えるからです。これは自分自身の技術に磨きをかけ続けることと、日々精進することによって得た技術向上の成果を後進の者に直接に適宜伝えやすい利点があります。

 三つ目は、全く個人的な理由ですみませんが、私自身が一人の”実践型珈琲オタク”であるからです。あえて実践と書くのも、自ら考案した焙煎方法とハンドドリップの手法を、日々現場で実際にお客様に提供することで、サービスを没入的に究めていくのが自分のライフワークと捉えているからです。

 喫茶店やカフェの現場はまさに生き物です。ご来店くださるお客様は老若男女さまざまですし、営業時間中には色々なことが起こります。かなり予見不可能なサービス業と言えるでしょう。そのような業務マニュアルだけでは対応しきれないことが多いのがこの仕事の難しさでありますし、逆に魅力的な面でもあります。

 経営は大局的な視点で仕事をみることが大切ですが、細部の仕事にも同時に目を行き届かせる必要があります。そのバランスをいかに維持していくのかが問題ですね。

 トップ自らが現場にいてこそわかることは多いので、そのための時間はできる限り確保したいと考えております。「細部にこそ神宿る」であり「現場にこそ神おわす」です。

 そんなわけで今日も数時間ですがカウンターに立ちます。

  店主

 

 

 

割烹珈琲

 先日のこと、ある常連のお客様に「葦島さんのスタイルって、割烹料理店みたいですね。目の前で大将が調理をしているのが見られる料理屋さんとか、寿司屋さんみたいで安心感があります」と言われ、なるほどと同意したと同時に開業前の準備期を思い出しました。

 確かに当店のように、店内どの場所からも見ることのできるカウンターで、豆の計量から始まり、豆をミルで挽き、ハンドドリップして提供する、その一連の流れ、所作を全てお見せできるスタイルはさながら割烹料理店を想起させるかもしれません。

 ただ、このスタイルに至った理由としては、割烹料理やお寿司の店をイメージしたからではなく、自分が客という立場で考えた時、珈琲を手仕事で淹れる全行程を見られたとしたら、楽しいだろうし安心するだろうと考えたからに過ぎません。

 私はこの店を立ち上げる前は、喫茶店はおろか飲食店に勤めた経験がほとんどありませんので、そもそも何がスタンダードスタイルなのかを知りませんでした。

 珈琲の焙煎も、抽出法も独特のスタイルと言われますが、関連する書籍を読み、長年自分自身が多くのお店を訪れて見聞きした経験をもとにゼロから構築したものです。

 珈琲以外については以前の職における経験で、事業を営むにあたり必要な衛生管理の知識や法的知識は十分得られていたので、喫茶店を立ち上げるにあたり、新たに経営面での知識はそれほど必要なかったのが幸いでした。

 思い起こせば開業準備期、一番大切に考えたことは「お客様が安心して来店できる喫茶店をとことん追求する」という方針でした。それをもとに店舗デザインや調理スタイルを固めていきました。

 その結果が今の喫茶葦島のスタイルですが、お客様から「割烹のような安心して訪れられる店」という意味でおっしゃって頂いたことは望外の喜びです。

 新ジャンルの珈琲店名称として「割烹珈琲」というのもいいなと思いました。

店主

私たちの社会的取り組みについて

生産活動を行っている我々のような企業は、できる限り地域社会や環境に配慮した取り組みを継続的に行っていく義務があると考えています。

環境に対する取り組み

・自家焙煎所葦島ではCO2ゼロの自然エネルギーを100% 使用。また、電気代の1%を社会貢献活動に寄付しています。(詳しくはこちら

・プラスチック素材のものを紙素材のものへ変更しました。
 ①喫茶葦島ではプラスチックストローを廃止し、紙ストローを使用しています。
 ②全店舗にてプラ製袋を紙袋に変更し、原則有料としました。

・自家焙煎所葦島では、珈琲豆用の保存容器をご持参頂くと1商品あたり30円値引きしております。

・トイレットペーパーとキッチンペーパーをリサイクルパルプ配合(FSC認証紙)のものに変更しました。

・フードロス削減のため、適量の原料を仕入れ、在庫管理を徹底しております。

・試飲用の紙コップを廃止し、繰り返し使えるガラス製カップを導入しました。

地域・社会に対する取り組み

・京都府、滋賀県の地元企業「山田牧場」の乳製品を使用したケーキ類を提供(喫茶葦島のみ)・販売(全店舗)。

・喫茶葦島では、京都府の自然の中で育てられた牛の生乳を使用した安心の成分無調整牛乳を提供。

働き方・雇用面での取り組み

・数名の女性従業員が出産・育児休暇を経て、⻑期勤務中(10年以上)

・研修制度の充実(新人教育、バリスタ昇格、店⻑候補)

伝統を大切にする取り組み

・伝統工芸とのコラボ。丹波の立杭焼作家と当社デザイナーによるオリジナルカップ&ソーサーを製作し販売中。

教育に対する取り組み

・珈琲セミナーの実施(2017年十字屋セミナー、2019年クックパッドスタジオセミナー実施、随時開業希望者に対する研修を実施。)


株式会社芦島は2021年11月「ソーシャル企業認証制度 S認証」を取得しました。

〈ソーシャル企業認証制度 S認証とは〉
社会課題の解決やESG経営(*)を目指す企業に対し、経営方針や事業内容、社会的インパクトなどを基準に、評価・認証を行う制度です。

ESG経営(*):「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の要素を考慮した経営のことを言います。

葦島という屋号の由来、についての追記

 以前の拙ブログにて、屋号である「葦島」の由来をお伝えしましたが、あえて書かなかった内容がございました。

 あえて書かなかったその理由は、つまびらかにすることについての、遠慮する気持ちがあったからなのですが、12周年を迎える今年は今後の展開について大きな変化がある年になりますので、決意表明の意味も込めてこの機会に公表しておこうと思います。

 葦島という言葉に日本という意味が込められていることは既に説明しましたが、その真の目的は、いずれ海外に出店することを見据えて、我々が日本の珈琲企業であり日本発祥の珈琲店であることを明確に表したかったからです。

 「丁寧な仕事」

 「品質主義」

 「自然並びに社会との調和」

 この三つは私どもが大切にしている企業理念です。

 

 そしてこれらは、日本古来から根付いている良き文化に通づるものでもあると考えていて、その良さを具体的に商品やサービスで世界へ発信していきたいという我々のミッションの土台になっています。

 いつの日か、世界中の都市に”心からくつろげる街中のオアシス”が広がっていけばいいな、と空想しながら頑張る日々です。

 店主拝

新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。

昨年も新型コロナに翻弄された一年でありましたが、弊社におきましてはピンチをチャンスと捉えて攻めの姿勢を崩さずに過ごした一年となりました。

自社ECサイトを再構築したり、適宜新商品をラインナップに加えるなどしながら、既存のご贔屓様には今までよりもご利用して頂きやすい環境を整え、新規のお客様にもご期待に応えられるよう会社一丸となって取り組んで参りました。

ただ、まだまだ未熟なところも当然ございますので、今年は更に精進を重ねて参ります。

とりわけ昨年の後半、外部企業様より魅力的なご提案を頂くことがございました。新たに頂いた良いご縁に深く感謝申し上げるとともに、一層奮起努力する所存でございます。

今年は葦島にとって新たな挑戦が続くことになると思いますが、「中庸」という理念「街中のオアシス」「時間を紡ぐ珈琲」というコンセプトを大切にしながら、成長を目標に一歩一歩丁寧に歩んでいきたいと考えております。

どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。

代表 佐々木晨人

葦島という屋号の由来

喫茶葦島ならびに葦島珈琲の「葦島」という屋号についてですが、決して人の名前ではありません。

 日本神話において、日本の国土を指す豊葦原瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに)から「葦」という一文字を拝借し、日本は島国であることから、特に日本を言い換えた名称として、私が「葦島」と名付けました。

 豊葦原は神々の住む天上世界である高天原と対比して、人間の住む日本の国土を指すと考えられ、豊かに葦が生い茂る土地の意を表している、言わば日本の美称です。

 その美称に恥じないよう、しっかりとした足取りで、日々丁寧に営んで行きたい、そして悠久の歴史を有する我が国の古都京都で、日本の新たな伝統となるべき喫茶店・珈琲店を創り永続させたい、という想いを込めております。

 なお、喫茶葦島、葦島珈琲とも登録商標です。

店主拝